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―ポテンシャルのポジティブ活用―



 母屋の改修とアトリエの増築です。
 既存の広い庭は、良好な環境を提供していましたが、その拠り所のなさによって逆にうまく使いこなせず、カーテンを閉め切ってしまうなど窮屈な生活をしていました。
 増築によってその環境のポテンシャルをポジティブに感じられるようにすることがテーマとなりました。

 増築の形態には、大きく分けて「くっつけて増築(②)」と「離れで増築(③)」の2パターンがあります。
 ②は、既存部分との接続がよく増築部分の利用頻度は高くなると予想されるが、既存部分の採光通風が悪くなります。③は、増築部分の独立性はよく、既存部分の採光通風も保たれるが、2棟の間に利用されないデットスペースが生まれます。
 そこで、現状の建物や周辺環境、クライアントの要望を最大限に生かすものとして④を考えました。②と③の中間のタイプで、離れであるものの既存棟との間に壁がないような形態です。(このコンセプトから、既設屋根と連なるように同材で屋根から外壁まで覆うデザインが導かれています。)
 ④は、フラットな床で既存と増築部分がつながれ接続はよく、増築部分の程よい独立性もあり、何より採光通風を妨げず、良好な環境を提供します。

TOTOリモデルスマイル作品コンテスト2009自由テーマ優秀賞受賞